やせすぎや肥満のある人は頭痛の有病率が高いと、米疾病管理センター(CDC)のグループが発表しました(Ford ES, et al. Cephalalgia 2008; 28: 1270-1276.)。
同グループは、1999~2002年の米国民健康栄養調査に参加した20歳以上の男女7,601人のデータを解析し、BMIと頭痛の有病率との関係を調べました。
その結果、年齢を補正した過去3か月間の重度頭痛または片頭痛の有病率は、BMIが18.5未満では34.0%、18.5?25未満では 18.9%、25?30未満では20.7%、30以上では25.9%であった。種々の共変数を補正後のロジスティック回帰モデルで、BMI 18.5?25未満群と比較した18.5未満群と30以上群の頭痛のオッズ比はそれぞれ2.01、1.37と有意に高く、BMIは重度頭痛または片頭痛の有病率と非線形の関係を示しました。
肥満者は脂肪細胞からの炎症性物質放出による頭皮血管の慢性炎症が起こる機序が考えられます。やせすぎに関しては逆に炎症性物質を止める栄養素が不足しているのではないかと推測しております。
いずれにしても、適度なカロリー制限が慢性炎症を止めることが分かっていますので、やせずぎも肥満も体にとっては不自然(自己治癒力の低下)と考えられます。