米国ではすでに子宮頸癌の予防ワクチンが認可されて使用されています。今回、医薬品業界の雄であるグラクソ・スミスクラインが資金提供して、新しいヒトパピローマウイルスワクチン(サーバリックス)が16型、18型HPV感染に有効であることがLancet7月8日号(2009)で発表されました。
このヒトパピローマウイルスワクチン(サーバリックス)は、すでに90カ国で認可され、2009年6月に世界保健機構(WHO)で承認されました(米国ではまだ審査中)。WHOで承認されたということは、発展途上国での子宮頸癌の予防目的でこのワクチンが使用されるということです(その資金の大半は日本が負担するのでしょう)。
この研究は、ヘルシンキ大学で15~25歳までの女性で子宮頸癌の予防目的でワクチンを接種した18,644人(17,106人が全3回の接種を受けました)を中央値34.9ヵ月の間追跡調査を行ったものです。子宮頸癌の予防目的でワクチン接種した女性の半数は関係のないA型肝炎ワクチンを接種されました。これを盲検化といい、ワクチンがプラセボ(気のせい)でないかどうかを確認する一般的な手段です。
この子宮頸癌予防ワクチンは、全3回の接種を完了した女性の約93%でグレード2の前癌病変のリスクを減少させたということです。約62%の女性は、子宮頸癌に関係する14種類のHPVのいずれにも感染しなかったという結果も出たようです。
ワクチンという聞くとどうしても製薬会社の金儲けのようにしかとらえられないほど、その効果、副作用や合併症が賛否両論ですが、ここは製薬会社の良心にかけたいところです。