ドイツがん研究センター(DKFZ)の理事長を務めたHarald zur Hausen教授がヒトパピローマウイルス(HPV)感染と子宮頸がんとの関連性を指摘したのは30年以上前です。ドイツでは子宮頸がんは女性で3番目に多いがんで、毎年、約6,500人が子宮頸がんを発症し、約1,600人が 死亡しています。ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が子宮頸がんの原因と発表された当時は一部の専門学会で激論が交わされていました。
そして1982年と83年に は16型と18型のHPVが子宮頸がんの原因ウイルスとして単離されました。現在ではワクチンまで開発されて、その効果が認められているようです。2008年度のノーベル医学賞がHarald zur Hausen教授に授与されました。
ワクチンが万能なわけではありません。ウイルスは変異が速いために、変異型ウイルスが新たに子宮頸がんを引き起こす可能性はあるでしょう。またヒトパピローマウイルス(HPV)感染だけで子宮頸がんを引き起こすというより、他の未知の環境因子が相互作用して発がんさせると考えています。