ヒトパピローマウイルス(HPV)は100種類以上のタイプがあります。子宮頸癌の70%はその中でHPV16型と18型の感染が原因と考えられています。
米国食品医薬品局(FDA)は2009年3月13日、子宮頸癌の主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)16型と18型のDNA検査「Cervista 16/18」の市販前承認申請(PMAA)を承認したと発表しました。 高リスク型に対するHPVの検査「Cervista HPV HR」も承認されました。
「Cervista 16/18」は、HPV16型と18型のDNAシークエンスを検出するものです。一方の「Cervista HPV HR」は、子宮頸癌に関係するHPV のうち高リスクの14種類のタイプを検出できるものです。
いずれのHPV検査も、子宮頸癌が発症しやすい30歳以上の女性に対し、細胞診と併用して用いられます。また、細胞診で意義不明異型扁平上皮細胞(ASCUS)が検出された患者では、年齢に関係なく実施され、HPV検査が陽性であれば、精密検査が行われます。
Cervista HPV HRの臨床試験は米国89カ所およそ4000人の女性を対象に実施され、前癌病変である子宮頸部高度異型病変(CIN3)の検出において感度100%であったといいます。
特異度(本当に子宮がんがない人に検査が陰性になる割合)も高かったのでしょうか?臨床試験は感度(感受性)、特異度がいずれも高くないと意義がありません。日本でも臨床試験を施行して合格すればいずれは導入されるのでしょう。