早期子宮体がんに対する骨盤リンパ節郭清は推奨されないとする報告が、英国など4か国85施設で実施されたランダム化比較試験でされました(Kitchener H, et al. Lancet 2009; 373: 125-136.)。
この論文では、組織学的に子宮体がんが証明された1,408例(大部分が早期がん)で、標準手術群(子宮摘出術と両側卵管卵巣摘除術、腹腔内細胞診、傍大動脈触診)と標準手術+骨盤リンパ節郭清群にそれぞれ704例を割り付けた。主要評価項目は全生存率としました。
中央値37か月の追跡で、191例(標準手術群88例、リンパ節郭清群103例)が死亡しました。ハザード比(HR)は1.16で標準手術群のほうが優れ、5年全生存率の絶対差は1%でした。251例に死亡または再発が認められました(標準手術群107例、リンパ節郭清群144例)。
この結果からは、早期子宮体がんにリンパ節郭清までする意義は全くないといえます。子宮体がんが早期であることを確認できれば、標準手術で良いということです。