抗がん剤のメソトレキセート(MTX: 商品名「リウマトレックス」)単独とメソトレキセート&TNFα阻害薬インフリキシマブ(商品名「レミケード」)を併用して治療するグループを1年間追跡した研究(ASPIRE)があります。
この研究の対象になった関節リウマチの患者さんは、発症から平均して10ヶ月という早期の人々です。
その結果は、
というものです。
この結果を見て皆様はどう判断されるでしょう。
リウマチ専門家たちは、この結果からTNFα阻害薬を効果あるものと推奨しています。
メソトレキセート&TNFα阻害薬インフリキシマブの併用治療でも関節破壊が進行した4割の特徴は
という特徴がありました。
つまり、関節リウマチの最新医薬品TNFα阻害薬をもってしても、発症早期でまだ骨の破壊がないものにしか効果がないということになります。
これは考えてみれば、当たり前すぎる結果です。
関節リウマチに限らず、どのような疾患であっても早期に治療した方が結果良いのは当たり前です。
逆に、高齢者で関節リウマチ暦が長い人は、TNFα阻害薬を使用した場合、副作用などの有害事象の方が治療効果を上回る可能性があります。
それにしても副作用の強い最新の薬物治療でもってしても、4割は無効であったということから、関節リウマチは短期的な副作用の強い薬物治療だけに頼るのではなく、長期的に根本治癒を考えなければならない疾患であることを改めて知らされた思いがします。