卵巣がんは女性のがんの4%を占め、婦人科がんのなかでは最も予後不良であるとされています。なぜなら、卵巣がんでは、症状がほとんど発現しないと考えられてきたからです。卵巣がんはしばしば“silent killer”と呼ばれてきた所以です。
今回、早期から見られる症状として腹痛、腹部膨満、頻尿を同定し、これに注意することで卵巣がんの早期発見ができると報告されました(BMJ(2009; 339: b2998))。
卵巣がんとの関連性が認められた症状は、(1)腹部膨満(サイズの漸進的増大)(2)頻尿(3)腹痛(4)閉経後不正出血(5)食欲不振(6)直腸出血(7)腹囲の増加または減少―の7項目です。
上記7項目のうち、特に腹部膨満、頻尿、腹痛は卵巣がんと診断される180日前から見られる傾向にありました。
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→英デボン州の39プライマリケア施設から、原発性卵巣がんと診断された女性212例(40歳超)と健康な対照群1,060例について検討した。
卵巣がんとの関連性が認められた症状は,(1)腹部膨満(サイズの漸進的増大)(2)頻尿(3)腹痛(4)閉経後不正出血(5)食欲不振(6)直腸出血(7)腹囲の増加または減少―の7項目で、なかには(1)?(3)の症状がありながら、診断されるまで6か月も待たされた女性もいた。
同博士らは、各症状について陽性的中率(ある特定の症状を有する患者が実際に卵巣がんである確率)も算出した。
その結果、腹部膨満の陽性的中率は2.5%で、それ以外では1%未満であった。