疾患別最新医学ニュース(認知症)9

認知症リスクに中年期の喫煙・高血圧・糖尿病

認知症は先進諸国で増大しつつある高齢者に一般的な健康問題です。米国では70歳超の高齢者の6人に1人が認知症を発症すると予想されており、患者数は2050年までに2000年の3倍に達すると推定されています。日本は平均寿命が長いだけにより多くの人が発症していると考えられます。

先行研究では、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などの心血管疾患危険因子と認知症発症リスクとの関連を指摘されています。

今回、中年の喫煙、高血圧または糖尿病により、後年に認知症を発症するリスクがきわめて高くなることが報告されました(Journal of Neurology, Neurosurgery and Psychiatry(2009; オンライン版))。

とくに喫煙と認知症の関連が高い結果になっています。喫煙から発生するフリーラジカルが脳に慢性炎症を起こすことが原因でしょう。また喫煙者のライフスタイルが脳の慢性炎症を起こすことも寄与しているでしょう。

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対象は1990?92年に米国で行われたAtherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究に登録された1万1,151人(46?70歳、アフリカ系米国人23%)。被験者にはその時点で身体検査と認知テストを行い、認知症による入院者数を2004年12月まで平均12.8年間追跡した。

追跡期間中に203例が認知症により入院した。全体として認知症による入院率は男女とも白人、アフリカ系米国人を問わず、年齢とともに指数関数的に増加した。アフリカ系米国人では白人より入院率が2.5倍高く、特にアフリカ系米国人女性で高率だった。

喫煙、高血圧、糖尿病は白人、アフリカ系米国人を問わず、いずれも認知症と強く関連していた。また、高齢時よりも若年時のほうが危険因子とのより 強い関連が認められた。各因子を保有することのハザード比(HR)は、55歳未満および70歳以上の白人・アフリカ系米国人喫煙者でそれぞれ 4.8,0.5,高血圧で1.8,1.0,糖尿病で3.4,2.0であった。

中年期の肥満または過体重とその後の認知症発症との間に関連は見られなかった。

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