疾患別最新医学ニュース(認知症)4

受動喫煙への曝露が認知機能障害と関係

受動喫煙のレベルが高いことが非喫煙者の認知機能障害と関係していることが発表されました(Llewellyn DJ, et al. BMJ 2009; 338: b462.)。

受動喫煙への曝露レベルが高いほど認知機能障害のリスクが高まることが明らかにされています。また、受動喫煙のレベルと認知機能障害のリスクとの関係は喫煙歴が全くない人だけでなく、過去の喫煙者においても観察されています。

ガンだけでなく、アルツハイマーのような認知機能障害も喫煙者より受動喫煙者がより強い害を受けることはタバコの功罪について考えさせられるものです。タバコを吸って自分がガンや認知症などになるのは一向に構わないのですが、それが周囲の人を巻き込んでしまうところに問題点があります。タバコの喫煙所は他の人が確実に受動喫煙しない装置を付けてからでないと許可しない方針が必要ですね。。

脂肪や砂糖の大量摂取では、脂肪組織が肥大します。肥大した脂肪細胞は、炎症性物質を脳を含めた全身に放出するため慢性炎症がくすぶります。食事からの抗酸化物質の摂取量が少ない場合、アルツハイマー罹患リスクが増大することが過去の研究から示唆されていますが、これも慢性炎症によるフリーラジカルの放出がアルツハイマーの発症に関与していることを示唆しています。

→今回の所見は、受動喫煙への曝露のバイオマーカー(唾液中のコチニン値)と認知機能障害との関係を調べた研究で明らかになったもの。

対象は1998年、99年、2001年の英国の健康調査に参加し、さらに2002年のEnglish Longitudinal Study of Ageingにも参加した人のうち、コチニン値測定のための唾液サンプルと喫煙歴に関する詳細な情報が得られた50歳以上の非喫煙者4,809例。ニコチンパッチなどの使用者や、唾液コチニン値14.1ng/mL以上の者(実際には喫煙していると考えられる)は含まれていない。

参加者を唾液コチニン値により同人数ずつ4群に分類。認知機能障害の確立された危険因子を調整後、コチニン値最低群(0.0?0.1ng/mL)と比較した認知機能障害のオッズ比(OR)を算出した。

その結果、ORは0.2?0.3ng/mL群が1.08、0.4?0.7ng/mL群が1.13、0.8?13.5ng/mL群が1.44と、受動喫煙への曝露レベルが高いほど認知機能障害のリスクが高まることが明らかになった(傾向性のP=0.02)。受動喫煙のレベルと認知機能障害のリスクとの関係は喫煙歴が全くない人だけでなく、過去の喫煙者においても観察された。

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