食物線維,特に穀物からの食物線維の摂取により死亡リスクが有意に低下することが論文報告されました(Arch Intern Med 2011; 171: 1061-1068)。
食物線維は冠動脈性心疾患,糖尿病,一部のがんのリスクを下げると考えられています。
今回は、食物線維の摂取による死亡への影響を調べるために、米国立衛生研究所(NIH)とAARP(旧全米退職者協会)の食事と健康に関する前向き研究の参加者を対象に,食物線維の摂取と全死亡および疾患別死亡との関係を検討しています。
平均9年間の追跡で男性2万126例,女性1万1,330例が死亡しました。解析の結果,食物線維の摂取は男女ともに全死亡リスクの有意な低下と関係し,摂取量の最低五分位と比較した最高五分位の多変量補正済み相対リスクは男女とも0.78でした(P<0.001)。
食物線維の摂取は心血管疾患,感染症,呼吸器疾患による死亡リスクを男性で24~56%,女性で34~59%低下させました。食物線維の摂取とがんによる死亡との間の負の相関関係は男性でのみ認められたようです。
食物線維のうち,男女の全死亡および疾患別死亡と有意な負の相関関係を示したのは穀物からの線維でした。
なるべく精白されていない穀物は繊維質が多くて良いのですね。米だと玄米は体への負担が大きいので、7分や5分づきくらいがよいのでしょう。