エンテオス最新健康ニュース(33)

携帯電話使用で神経膠腫リスク、IARC発表 “発がんの可能性あり”に分類

現在、携帯電話の加入者数は世界で5億人と推計され、近年は携帯電話による無線周波電磁界の人体への悪影響の懸念が高まっています。

世界保健機関(WHO)の外部組織である国際がん研究機関(IARC)は2011年5月31日、IARCによる無線周波電磁界に関する調査の結果、携帯電話の使用と神経膠腫発症リスクの上昇に関連性をようやく認めました。

IARCが定める「発がんの可能性あり」を示すグループ2Bに分類すると発表しています。グループ2Bとは、携帯電話と発がんリスクにはなんらかの関連がある可能性があり、注視していく必要があるというものです。

携帯電話の使用における脳腫瘍発症リスクとの関連性については、昨年(2010年)5月に国際共同研究グループによるINTERPHONE Studyが否定し、WHOや米食品医薬品局(FDA)がリリースを発表しています。

IARCでは、5月24〜31日に、14カ国31人の科学者から成るモノグラフ・ワーキング・グループによる会議をフランスで開催しました。

被ばくデータ、人体におけるがん研究データ、実験動物におけるがん研究データ、毒物動態学や発がんに関するメカニズムに関連するデータなどから、無線周波電磁界に関する次の項目について発がんリスクの評価を行いました。

  • レーダーおよびマイクロ波への職業被ばく
  • ラジオ・テレビ・無線通信の信号送信による環境被ばく
  • 携帯電話の使用による個人被ばく

その結果、携帯電話使用者と神経膠腫および聴神経腫との関連性についてのエビデンスは“限定的(limited)”とし、ほかの種類のがんとの関連を結論付けるには“不十分(inadequate)”としました。職業および環境における被ばくについても同様に“不十分”としました。

2004年までに行われた携帯電話使用に関するある研究では、10年間で1日平均30分の携帯電話ヘビーユーザーの神経膠腫発症リスクが40%高まることが記されていました。

IARCによる発がん性の分類は、グループ1“発がん性あり”、グループ2A“発がんの大きな可能性”、グループ2B“発がんの可能性あり”、グループ3“発がんの可能性への分類不可”、グループ4“発がんの低い可能性”の5つ。今回の2Bは真ん中に位置し、“人体における発がんに関する限定的なエビデンスであり、実験動物における発がんの不十分なエビデンス”を意味する。なお、今回の研究の詳細をまとめた論文はLancet Oncologyに掲載される予定です。

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