不健康な生活習慣は従業員の生産性を低下させ、病欠日数を増加させることが明らかになりました(Occupational and Environmental Medicine(2010; オンライン版)。
2005~09年に異なるタイプのサービスを提供する商業分野と公共分野の企業49社の労働者1万500人を調査しました。従業員に対して体重や身長のほかに生活習慣、健康状態、作業内容、作業能力などについて質問。また、前日の作業の生産性(0~10の尺度)と過去12カ月間に健康問題で就業できなかった日数についても尋ねました。
その結果、労働者の44%が前日の生産性を10よりも下と評価し、半数以上(56%)が過去12カ月間に1日以上病欠したことが示されました。基礎疾患の有病率は、遺伝性疾患の3%から筋骨格障害の77%までさまざまでした。しかし、体重が重要な要素でした。
健康問題を1つ以上抱えていたのは、肥満労働者では10人中8人強(83%)、過体重の労働者では4分の3、正常体重の労働者では3分2をやや上回る程度(69%)でした。
生活習慣は、作業における生産性の損失や取得病欠と関連していました。推奨レベルよりも低い果物と野菜の摂取はほぼ4%の生産性低下をもたらし、喫煙は生産性低下の20%と関連していました。
肥満、低レベルの運動、喫煙は病欠の原因の11%弱を占めました。肥満の労働者では正常体重の労働者に比べて10~24日間病欠するリスクが66%高く、25日以上病欠するリスクが55%高い結果でした。
喫煙者では10~24日間病欠するリスクが30%高い一方、週にグラス10杯超を飲酒する労働者では、病欠の可能性が低下していました。
肥満は生活習慣の顕在化した形です。運動不足、喫煙、植物性の食事量の低下などが相互に関連しあって心身の健康に大きな影響を与えていることがよく分かりますね。