夢を見るほどたっぷり昼寝できた被験者は、ずっと起きていないといけなかった他の被験者よりも、以前に学習した作業を素早くこなすことができたことが報告されました(Current Biology, Volume 20, Issue 9, 850-855, 22 April 2010 )。
夢の内容の関連度には相関関係はなく、夢を見る時間が十分にあっただけで、能力が大幅に高まったとういことですから、シェスタは非常に理にかなっているのですね。
被験者が見た夢は、常にではないが、目前の作業に関係したものであることもしばしばだったようです。夢が、課題として与えられた迷路を、以前の記憶に結び付けようとしていると見られるケースもありました。
研究では、100人の被験者が、特定の目印(この場合は木)を目指してコンピュータ上の3次元の迷路を進むよう求められました。その後、被験者は、1時間半昼寝するグループと、起きたままでいるグループの2つに分けられました。数時間後に被験者を再びテストしたところ、昼寝をしたグループのほうが、平均で30秒速く迷路を進むことができた。1分半速く目印に到達した者もいました。
口頭での報告では、昼寝をした被験者は、程度に差はありましたが、迷路に関する夢について報告しました。実験に使用された迷路の夢を見たが、夢の中の迷路に、人や場所など馴染みがある目印を追加していた者もいました。迷路ではなく、実験中に流れていた楽曲の夢を見た者もいました。コウモリがいる洞窟を進む夢のように、実験とはほとんど無関係な夢を見た者も数人いました。迷路に関係がある夢をまったく思い出さなかった者もいました。