定期的な運動、果物と野菜中心の食生活により、慢性炎症疾患や癌を含む多くの疾患リスクが低下することが数多くの研究で示唆されています。癌研究者は、疫学的研究および動物モデル試験において、癌の経過に強い影響を及ぼすことが示唆された特定の栄養素が癌リスクを低下させるかどうか、長年にわたって検討してきました。
有望な生物活性物質が次々現れるため、多くの予防研究者が注目しているのは、例えば大豆、ブルーベリーやブロッコリーやブロッコリースプラウトに含まれる天然化合物スルフォラファンのような物質が体内の分子レベルでいかに癌細胞を死滅させるか、また、高い効果を示す癌細胞があるかのどうかや、その期待した効果があることを早い段階で判別する介入方法はあるのかどうかです。
予防:その複雑な領域大規模な予防試験において、ビタミンA、C、E、セレニウム、ベータカロチン、葉酸などさまざまなサプリメントについて検討されています。少なくとも1 件の試験では、サプリメントの併用で癌による死亡が減少したが、他のいくつかの試験では癌による死亡の減少はみられず、若干リスクが上昇した試験もありました。
オハイオ州立大学の Dr. Gary Stoner 氏らは、この 10年間ブラックラズベリーの癌予防の可能性について研究してきました。研究の大部分で使用したのは、重量の 85~90%を占める水分を取り除いたブラックベリー粉末でした。
まず実験室での研究および動物モデル試験に着手し、これらの試験でベリー粉末に予防の可能性が認められると、小規模なヒト対象試験に進めた。初期段階ヒト対象試験で食道癌、口腔癌、および大腸癌の予防に関して有望な結果が若干得られました。小規模な皮膚癌予防試験も間近に迫っています。