細胞内のフリーラジカル(活性酸素種)は不飽和脂肪酸と反応し、脂質ヒドロペルオキシドを産生します。これらのペルオキシドはサイトカインやケモカインなどの可溶性メディエーターと反応し、より活性の高い活性種を産生します。
活性の高い活性種は、活性種自体を産生する炎症細胞を集積させ、慢性炎症を引き起こし、 DNA変異を誘導します。
このようなメカニズムによって、長鎖不飽和脂肪酸は発癌を促進すると考えられています。
魚油の補充療法を受けている末梢動脈疾患患者の方から採取した血液検体中の単球では、炎症性が低くなっているために内皮細胞への作用が低下していることが示されています。
ヒトにおける研究では、オメガ3系脂肪酸の補充により炎症が抑制され、その結果、発癌作用を有するフリーラジカルの産生が抑制されることが明らかにされています。食物からのオメガ3系脂肪酸により結腸癌ラットの酸化ストレスが低下したことも確認されています。