疾患別最新医学ニュース(更年期障害)9

閉経後の併用ホルモン療法で肺がんによる死亡が増加

閉経後女性のエストロゲンとプロゲスチンの併用療法は肺がんの発症率には影響しないが、肺がんによる死亡を増加させるとする米国のWomen's Health Initiative(WHI)試験の事後解析結果が、発表されました(Chlebowski RT, et al. Lancet 2009; 374: 1243-1251.)。

WHI試験は、子宮摘出術を受けていない閉経後女性1万6,608例を対象とした併用ホルモン療法とプラセボの二重盲検ランダム化比較試験。併用ホルモン療法により心血管疾患や乳がんのリスクが増大すること、そして試験終了後に併用ホルモン療法群における肺がんによる死亡増加の可能性が示唆されたことから、早期中止となったものです。

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→平均5.6年の試験期間と平均2.4年の追加追跡で、肺がんと診断された女性は併用ホルモン療法群が109例、プラセボ群が85例と差はなかった 〔年間発症率0.16%対0.13%、ハザード比(HR)1.23、P=0.16〕。非小細胞肺がんの発症も併用ホルモン療法群が96例、プラセボ群が72例と差は見られなかった(同0.14%対0.11%、HR 1.28、P=0.12)。

しかし、肺がんによる死亡は併用ホルモン療法群が有意に多かった(73例対40例、年間死亡率0.11%対0.06%、HR 1.71、P=0.01)。これは、おもに併用ホルモン療法群で非小細胞肺がんによる死亡が多いためだった(62例対31例、同0.09%対 0.05%、HR 1.87、P=0.004)。小細胞肺がんの発症率と死亡率は両群で差はなかった。

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