閉経後女性のホルモン使用が胃食道逆流症(GERD)の症状増加と関係することを示すデータが、米ボストン大学などのグループにより発表されました(Jacobson BC, et al. Arch Intern Med 2008; 168: 1798-1804.)。胃食道逆流症は胃と食道のつなぎ目の部分が、食物が通ったあとに閉まらないために、胃のものが食道に逆流するものです。なぜホルモン使用が胃食道逆流症と関係するのかは今後さらに検討がされていくでしょう。
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→同グループは、Nurses' Health Studyの参加者で1976年から2年ごとに閉経後のホルモン使用について回答し、2002年にGERD症状に関する情報を提供した閉経後女性5万1,637例を対象に、ホルモン療法とGERD症状との関係を検討した。
1万2,018例(23%)がGERD症状を報告した。閉経後のホルモン使用歴がない女性と比較したGERD症状の多変量オッズ比(OR)は、過去のホ ルモン使用で1.46、現在のエストロゲン単独使用で1.66、現在のエストロゲン+プロゲステロン使用で1.41であった。GERD症状のリスクはエス トロゲンの用量が多いこと、また使用期間が長いことに伴って有意に上昇した(ともにP<0.001)。現在の選択的エストロゲン受容体モジュレーター使用者と市販のホルモン製剤使用者のGERD症状のORは、それぞれ1.39、1.37であった。