疾患別最新医学ニュース(更年期障害)1

閉経期女性ののぼせは無症候性心血管疾患のマーカーの可能性

閉経期女性に見られるのぼせは有害な血管の変化を表している可能性があると、米ピッツバーグ大学などのグループが報告しました(Thurston RC, et al. Circulation 2008; 118: 1234-1240. )。

対象は臨床的に心臓血管障害がなく、子宮と少なくとも片方の卵巣を有する45?58歳の女性492例。無症候性心臓血管障害の指標として超音波により上腕動脈の血流依存性血管拡張反応(FMD)、電子ビームCTにより冠動脈と大動脈の石灰化を評価しました。

年齢と人種を補正後、のぼせを報告した女性ではFMDの有意な低下が認められました(β=?1.01、P=0.01)。のぼせは冠動脈と大動脈の石灰化とも 有意に関係し、オッズ比(OR)はそれぞれ1.48、1.55でした。CVDの危険因子と血中エストラジオール値を補正後も、のぼせとFMD低下 (β=?0.97、P=0.03)および大動脈石灰化(OR 1.63)との有意な関係は維持されました。

更年期障害ののぼせは単なる不定愁訴ではなく、全身の慢性炎症が関与していることがこの血管障害の発生からも裏付けられました。更年期障害が決して何もない症状だけの病態ではないのです。

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