疾患別最新医学ニュース(口内炎)5

口内炎:口腔扁平苔癬への対応

口腔扁平苔癬(oral lichen planus;OLP)は、両側頬粘膜に網状白斑を呈する病態を典型例とする中年?高齢者の難治性慢性炎症性疾患で、比較的頻度の高い口内炎、口腔粘膜疾患です。口腔扁平苔癬(oral lichen planus;OLP)は病態が多彩なうえ原因不明であり、診断に苦慮する症例が少なくないとされています。

舌、歯肉、口唇などにも出現し、頬粘膜も片側性の場合もあり、網状白斑以外に紅斑やびらんが主体です。世界保健機関(WHO)が同疾患をpotentially malignant disorderとしていることから前がん病変としても位置づけられています。

OLPの悪性化の可能性は白板症などに比べて頻度は低いものの、悪性化率は0.4?6.4%と報告されています。

OLPは口腔に限局して出現するほか、皮膚の扁平苔癬の一分症として口腔内に現れることもあります(口腔と皮膚で同時に扁平苔癬を発症する例は25?30%)。

一口に口内炎といっても前がん病変に移行するものもありますので、難治性の場合は慢性炎症を止める治療を早期に開始しなければなりません。

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