疾患別最新医学ニュース(口内炎)4

口内炎に胃薬が有効

抗癌剤投与の副作用として起こる口内炎(口腔粘膜炎)を防ぐには、胃炎や胃潰瘍の治療薬であるレバミピドが有効と第17回日本乳癌学会学術総会(2009)で報告されました。

化学療法のFEC100(5FU+エピルビシン+シクロホスファミド、以下FEC)を受けた61人について分析したところ、レバミピドを投与しなかった49人のうち23人(46.9%)に口内炎が見られた。レバミピドを投与した12人の中で、口内炎のリス クが高いためレバミピドを予防的に投与した4人のうち口内炎を起こしたのは1人、FEC療法中に口内炎を起こしたため、次のサイクルからレバミピドを投与 した8人では4人でグレードの低下が見られた。

もう一つは、FECを受けた91人のうち43人 (47.3%)に口内炎が見られた。FEC開始後からレバミピドを投与した28例に注目すると、25人(89.3%)にグレードの低下がみられた。そのうちグレード0になったのは17人(60.7%)。グレード0が最終クールまで続いたのは15人(53.6%)だった。

予防投与の効果を見るために、同じ対象のうち、FEC開始前からレバミピドを投与した14人(予防投与群)とそれ以外の77人(非予防投与群)で比較すると、それぞれ5人 (36%)と38人(49%)で口内炎を起こしたが、有意差はなかった。ただし予防投与群では、グレードも低い傾向にあった。

現在、化学療法に伴う口内炎対策としては、含嗽薬を用いた治療が中心のようですが、これは口腔内常在細菌を殺してしまうため逆効果の可能性があります。

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