抗ガン剤の副作用よる口内炎の悪化のため、抗ガン剤の用量が制限されることがあります。米John Wayne Cancer InsituteとAmgen社のグループが、組み換えヒト・ケラチノサイト成長因子(KGF)が、抗癌剤による口内炎の 発生頻度を減らしたとする臨床試験の結果が報告されました。(J.Clin.Ocol.2006;24:5194-5200.)
この試験結果では、口内炎と同じ粘膜障害である下痢の発生頻度や全生存率は変ることはなかったようです。 Amgen社は、KGFを「Palifermin」の薬剤名で、造血幹細胞移植に伴う口内炎の改善を目的に米国内で販売していますがは、患者数が少ないことを理由に日本国内では開発されていません。
組み換えヒト・ケラチノサイト成長因子(KGF)による副作用は明記されていないため、このような薬を使用するベネフィットがあるかどうかは今のところ不明ですが、抗ガン剤による免疫力低下という根本的問題の解決にはなりませんので、口内炎の治療としの根本治療ともいえません。