疾患別最新医学ニュース(膠原病)7

太極拳で高齢者の免疫細胞が上昇

健康教育(食事、睡眠、ストレス管理などの講義を受けたもの)を受けた人と太極拳を行う人をランダムに分けて、帯状疱疹ウイルスに対するワクチン接種前と接種後の細胞免疫レベルを測定しました(カルフォルニア大学ロサンゼルス校神経科学・行動学研究所)。

帯状疱疹は、60歳をこえると約1/3の人が罹ります。これは免疫力が低下したときに、以前に感染し潜在していてウイルスが活発化することで起こります。非常に強い痛みを伴い、痛み止め治療では改善しないために、生活の質が下がります。

この実験の結果、太極拳の集団は健康教育を受けた集団より、細胞免疫が2倍以上に上昇したというものです(Journal of the American Geriatrics Society, 2007; 55: 511-517)。

この太極拳というのは、瞑想、有酸素運動やリラクゼーションを取り入れたもので、いずれも自律神経の副交感神経(リラックスの神経)を優位にします。

膠原病は、免疫力が低下した状態にウイルスや細菌の感染が起こり、炎症が悪化しています。あるいは、ウイルスや細菌の感染が起こり、免疫力が持続的に低下して膠原病を発症してしまいます。

いずれにせよ膠原病の発症には、細胞免疫の低下が深く関与しているので、こういったリラクゼーションによる細胞免疫の強化治療は有用です。

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