疾患別最新医学ニュース(膠原病)2
膠原病の治療で使用される免疫抑制剤について(シクロスポリンA)
膠原病の治療では、ステロイド薬を中心とする非特異的治療に依存してきた。免疫抑制剤による膠原病治療ターゲットは、リンパ球を制御することで、病態形成の中心となるサイトカインを間接的にコントロールすることである。ステロイドと生物学的製剤の中間的な治療戦略といえるが、一般的に副作用は強い。現在日本では、副作用が比較的弱い免疫抑制剤が開発されてきている。
- シクロスポリンA(商品名:ネオーラル、サンディミュン)
- シクロスポリンAは真菌の代謝産物で11個のアミノ酸からなるポリペプチド。
細胞内でスクロフィリンと複合体を形成してカルシニューリンに結合し、その活性化を阻害して転写因子NFATの脱リン酸化による核内移行を阻害。その結果、膠原病の病態悪化に関与するIL-2,IL-5,INF-γなどのサイトカインの転写制御で免疫抑制効果を発揮する。
適応となる膠原病・難病
- ベーチェット病(眼症状)
- 尋常性乾癬、関節性乾癬、膿胞性乾癬
- 再生不良性貧血
- ネフローゼ症候群
- メソトレキセート抵抗性関節リウマチ(米国)
副作用
- 血栓性微小血管障害
- 腎障害
- 精神神経障害
- 易感染性
疾患別最新医学ニュース(膠原病)目次
疾患別最新医学ニュース目次