疾患別最新医学ニュース(医薬品の副作用)7

年間64億円の節減、ARBをACE阻害薬に替えた場合の経済効果

アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は、乾性咳の副作用以外にACE 阻害薬を上回る明らかな便益は確認されていません

今回、モントリオール大学のJason R. Guertin氏らはARBの新規使用を制限し、ACE阻害薬に置き換えた場合の経済効果を試算。心血管系の健康に悪影響を与えることなく、2006年の 1年間に7,700万ドル(カナダドル、以下同;日本円では約64億円)以上が節減できたと発表しました(CMAJ1月24日オンライン版)。

今回、2006年1月1日に既にARBやACE阻害薬を使用している患者はそれを継続し、ARBの使用が考慮される新規患者に対してまずACE阻害薬を処方しました(1カ月後、乾性咳が発生した場合ARBに処方を変更)と仮定し、費用の節減効果が調べられました。

全薬局の3分の1から集められたIMS Health Canadaのデータや、薬剤の変更に生じる管理費用や乾性咳の発生に関する論文に当たり、モンテカルロ法を用いて、薬価、管理費用、乾性咳といったいくつかの変数の影響を調べられました。

その結果、Base-caseモデルでは、2006年の1年間に心血管系の健康への悪影響なく7,710万ドルが節減できたと試算。モンテカルロ 法を用いたシミュレーションによる絶対削減効果は、平均5,830万ドル(95%CI 2,930万ドル~9,080万ドル)でした。

製薬会社は利益の出る新薬の開発が難しいため、このようなあまり便益の少ない新薬でも効能を大げさにアピールし、薬価を引き上げる傾向にあります。現在の経済不況でこのように人類の幸福にかえってマイナスになるような開発はやめて頂きたいものです。いずれ、自然淘汰されていくでしょう。

疾患別最新医学ニュース(医薬品の副作用)目次

疾患別最新医学ニュース目次

ご注文はこちら
Copyright (C) 自然治癒健康食品のエンテオス. All Rights Reserved.