体のどの器官の組織の周囲にも結合組織(connective tissue, fiber)が取り巻いています。この結合組織の代表格がコラーゲンやエラスチンと呼ばれる線維です。 つまり、コラーゲンやエラスチンが人体にクモの巣状に張り巡らされているのです。
何のために?
おさらいしましょう。
1つには、人体を物理的に支持するためです。肺や心臓や骨など、およそ人体を構成する組織に必要な線維です。いわば組織をくっつける"にかわ"の役割ですね。これは、主に美容面で強調されてきた側面です。
2つ目は、老廃物を濾す役割。細胞の「腎臓」とよばれます。
3つ目は今まであまり重要視されてきていなかったのですが、非常に大切な働きがあります。それは、リウマチ・膠原病・神経難病・ガン・動脈硬化や感染の拡大を防ぐ役割なのです。
リウマチ・膠原病や一部の癌などに代表される慢性病では、バイ菌やウイルスの細胞内感染による炎症拡大が発症の引き金と進展に深く関与しています。
もちろん毎年取りざたされるインフルエンザなどの急性炎症にも関係しています。感染症では、私たちの体全身でウイルスが増殖します。
ガンの転移。これこそはガンの本当の死因です。
ガンの末期の病態として恐れられています。
ガン細胞が血流に乗って、あちらこちらに飛び火します。
しかし、考えてください。
炎症が拡大したり、ガン細胞が他の臓器に飛び火するためには、組織の周囲にある結合組織の網の目をくぐり抜けるなりしないといけません。
ウイルス、バイ菌やガン細胞にとって邪魔なものが、組織を固めている周囲のコラーゲンを代表とする結合組織なのです。
ウイルス、バイ菌やガン細胞にとって、コラーゲンは"目の上のたんこぶ"です。
さて、それではガン細胞やウイルスはどのようにしてコラーゲンなどの網の目をくぐっているのでしょうか?
実はコラーゲンなどの結合組織は溶かされているのです。
ウイルスやガン細胞などは、これらの結合組織を溶かす酵素(enzyme)を産生します。
これを「コラーゲン溶解酵素(MMP:マトリックスメタロプロテネース)」といいます。
この「コラーゲン溶解酵素」をブロックすることで炎症やガンの拡大を防御する方法が「コラーゲン溶解酵素ブロック療法」(略して「コラーゲン溶解ブロック療法」)なのです。
これを医薬品でなく、自然の栄養素で行う方法が私たちの提唱する自然療法です。