2012年の最新の論文報告で緑茶に関する重要な健康効果が報告されましたので、ご紹介したいと思います。
まず一つ目は、上海で7万5千人の女性(タバコや酒を飲まない)を対象に平均11年間調査した研究です。その結果、規則的に緑茶を飲む(6か月以上にわたって週に最低3回摂取が条件)女性はすべての消化器系のガンが緑茶を飲まない女性より17%も少なかったというデータが出ました。1日2~3杯緑茶を飲む女性ではさらに21%もガンの発生率が少ない結果でした。これを20年間続けている女性では、さらに27%のガンの発生率が少なくなります(American Journal of Clinical Nutrition 2012 Nov;96(5):1056-63)。
この緑茶の効果は成分である「カテキン」の抗酸化作用などによる遺伝子保護作用ではないかと著者が推測しています。カテキンはこれまでも
など多数の作用が報告されています。
さらに2012年の最新の論文報告では、緑茶がコーンスターチのようなテンプン質の炭水化物を摂取したときの血糖値の上昇を抑えたことがラットの実験で分かりました(Molecular Nutrition & Food Research 2012 Nov;56(11):1647-54)。緑茶がダイエット効果をもたらす可能性が示唆されてきましたが、脂肪の燃焼効果だけでなく、血糖値を下げることもダイエット効果に関係しているかも知れません。
日本人の平均寿命にも緑茶が貢献してきたことでしょう。
『スーパーマトリックス』にはこの貴重なカテキンが含まれています。
緑茶に含まれるカテキンの一種と男性機能不全(ED)治療薬を併用投与することで、正常な細胞を傷つけずにがん細胞のみを殺し、高い抗がん作用を発揮することを、九州大大学院農学研究院の立花宏文教授の研究チームが突き止めた。
研究成果は2013年1月25日、米医学誌ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション電子版に掲載されました。これまで抗がん剤が効かなかったケースでも、高い効果が期待できるという。早ければ年内にも米国で臨床実験を実施するようです。
同教授のチームは2004年、「エピガロカテキンガレート(EGCG)」と呼ばれるカテキンの一種ががん細胞の細胞膜表面にあるたんぱく質と結合することで、がん細胞を特定して殺す仕組みを解明。今回の研究では、EGCGの抗がん作用を阻害する酵素に着目し、この酵素の働きを抑える化合物を含むED治療薬を投与したところ、抗がん作用を高めることに成功したようです。