疾患別最新医学ニュース(老年病(アンチエイジング))8

カロリー制限は霊長類でもアンチエイジング効果をもたらす

カロリー制限により霊長類でも加齢が関係する疾患の発症が遅れ(アンチエイジング)、寿命が延びることが確認されたと発表されました(Science 7月10日号)。 これは人間でもカロリー制限がアンチエイジングに効果があることを示したものです。

今回の論文では、大人に達したアカゲザル(飼育下の平均寿命27歳)を30%カロリー制限群と非制限群に分けて飼育、疾 患や死亡への影響を検討したものです。その結果、20年経過した今回の報告時点の生存率はカロリー非制限群の50%に対し、制限群では80%と高かった。また、カロリー制限は加齢関連疾患の発症を遅らせ、特に糖尿病、がん、心血管疾患、脳萎縮の発症を減らしました。

実験の開始は1989年にまでさかのぼります。この年、30匹の成人サルを使って研究は始まった。その後、1994年に46匹のサルが追加されています。研究では、半分のサルに低カロリーの食事を、残り半分のサルに普通の食事を与えられました。研究者らはすべてのサルを注意深く観察し、定期的に身体組成を測定したり、血液検査や内分泌機能の検査を行なったり、心臓や脳の機能を測定したりした。また、サルが死ぬと、解剖検査を行なって死因を特定した。

現在生き残っているサルは全員が27才以上で、アカゲザルにとっては老齢期にあたります。カロリーが制限された食事をとっているサルは、癌、糖尿病、心 臓病、および脳萎縮に見舞われたり、除脂肪筋肉が減少したりするレベルが驚くほど低下しました。加齢に関わる原因で死亡したサルの数は、カロリー制限がないサ ルでは38匹のうち14匹にのぼったが、カロリー制限があるサルでは38匹のうちわずか5匹だったといいます。

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