適切なダイエットは遺伝子の傷を修復するたんぱく質の量を増やすことを、浜松医科大と三菱化学生命科学研究所(東京都町田市)がラット実験で突き止められたようです。
過去の動物実験では、適度に食事の量を抑えると長生きすることがすでに分かっています。いわゆるカロリー制限が老化・老年病を遅らせ寿命を延ばすという効果です。
今回の実験では、遺伝子の傷を修復するたんぱく質「WRN」に着目し、食べ物の摂取量との関係を調べられました。
その結果、WRNの量は、1カ月間自由に餌を食べたラット6匹に比べ、摂取カロリーを3割減らしたやせ気味のラット6匹の方が約3倍多いことが分かりました。また、長寿に関与するたんぱく質「SIRT1」も約3倍に増えていまいした。一方、ヒトの細胞を使った実験で、SIRT1の働きを抑える薬剤を入れるとWRNの量が減りました。適度にカロリー制限するとSIRT1が増え、WRNが失われるのを抑制すると考えられるということです。
カロリー制限によってミトコンドリアで生じるフリーラジカルの低下が、このような核の遺伝子にも好影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。
暴飲暴食あるいは過食は貴重な食料の無駄遣いになるだけでなく、私たちの健康も損なうのです。